キーパーソンが息子さんの場合は、普段、家事をされないためか、訪問するヘルパーへ家事への要望が強くなる場合が多いようです。
実際に私が担当したケースでは、息子さんが食器洗い洗剤をヘルパーが使い過ぎると、「火曜日のヘルパーが来た日はなくなるのが早い!」や「無駄に洗剤を使いすぎている!」「家事に不慣れなヘルパーではなく、もっとベテランのヘルパーに来てもらってくれ!」と、食器洗い洗剤のボトルにマジックで線を引き○月○日と、どこまで洗剤がなくなったかを書き記すといったことをされていました。
ケアマネジャーとして、もちろん連絡調整やカンファレンスなどを繰り返しましたが、息子さんの要望は、「今月の電気代が高すぎるのは何でや!」「砂糖の減りが早すぎる!」「ゴミ袋の枚数が合わない!」など。
こんな調子ですから、その地域の訪問介護事業所は全滅でした。
担当ケアマネジャーの交替も早く、1カ月で事業所が変わっていくので介護保険者証には常に新しい居宅が記載されているといった状況でした。
介護コーチングの視点で見ると・・・
一見すると、要望の多い厄介なご家族となるのですが、ある訪問介護事業所の主任さんが言われた一言で息子さんの態度が変わるんです。
この主任さんは無意識でされていたことですが、コーチングでは事実に対して捉えている意味付けを変えることを「リフレーミング」といいます。
この主任さんは、ただ要望の強い厄介な家族というフレームを変えたんですね。
自分がどう捉えるかによって、相手への見え方も違ってきます。