オーストラリアメルボルンより医療や介護関連会社や大学関係者の方々と日本で医療や介護に関わっている方々との意見交換会に参加してきました。
私は、6〜7年前にオーストラリア・タスマニアへ介護現場の視察へ行ったことがあります。タスマニアの日本のグループホームにあたる施設や自宅へヘルパーを派遣するオフィスや総合病院のリハビリ病棟へ伺いました。施設には、各介護ベットの横にリフトが1台常設されていて、介護ベットのサイドレールが1本もなく、「どこを支えに起き上がるのか?」と不思議に思っていると、天井に電車のつり革みたいな形のモンキーグリップが設置されていて、そこを握って自身で起上すると聞いて驚きました。そして、ベットにサイドレールがないので「ベットからの転落はないの?」と聞くと、「ご入居者は転倒する権利もある」と言われたことを思いだしました。今回の意見交換会でも、日本はお世話しすぎだという話もあり、また、介護スタッフが行う移乗介助によって、ご利用者の拘縮が進むことがあると。そして、実際にある施設でベットのモーター機能を利用して移乗した結果、ご利用者の拘縮が改善された例も紹介されていました。
日本では、リフト導入というと介護スタッフの労力を減らす目的だと考える方が多いと思いますが、ご利用者の心身の状態を改善するためにリフト導入が必要だという話もあり、全く新しい視点でのお話でした。