基本的に人は変わることに抵抗感があります。
あなたも新しい職場に異動になったり、新しいスタッフに指導や注意をするときには、多少なりとも緊張するはずです。それは「わからない」からですね。
変わるということは、どう変わるのか、自分がどうなるのか、まわりがどうなるのか、未知のことなので「わからない」怖さがあるのです。
自分を変えるということは、未来の自分を変えるということです。
未来の自分を変える、変えたいと思うときは、今の自分に不満があるから、今の自分がイヤだから、自分を変えたい、改善したいということになります。
このように自分を変えたいと思うときは、少なからず今の自分を否定している状態です。
今の自分を否定している状態では、安心安全が保てません。自分を変えたいと思うのであれば、今の自分を認めること、受け入れることが先決なのです。
これは職場のチームでも同じことが言えます。
一緒に働くチームは、仲良しグループをつくりたいわけではありませんね。同じ目的のために同じ方向にエネルギーを注いでほしいはずです。だとすると、別々の方向を向いているチームのスタッフに同じ方向を向いてもらうためには、“今“を認めることが最優先です。
安心安全な環境だからこそ、”変わろう“と思えるのです。
少し話が変わりますが、では新しいことに挑戦しつづける人は、自分を変えつづけている人なのかというと、そうではなく“変わりたくない”と思っている人と同じ肯定的意図があります。
今の自分がイヤだから、今の自分を否定して新しいことに挑戦しているのです。つまり、挑戦することで安心安全を確保しているのです。
表面的には変わっているようでも、根っこにある“今のままではダメだ”という思いは満たされません。
新しいことを学んでも、資格を取得しても、“今のままではダメだ”という思いは満たされず、もっともっとと挑戦しつづけてしまうのです。挑戦することで変わらない人と同じように安心安全が保たれるのです。
“変わりたい”と言っている人も“変わりたくない”と言っている人も根っこにある思いは同じです。そして、どちらも“0か100か”の思考になりがちなのです。
変わりたくない人の思考は、
●こっちが正しいということは、そっちが間違いということだよね。
●こっちを選ぶということは、そっちを捨てるっていうこと?今までやってきたことって何だったの?
●こっちに変わるってことは、今までの過程は無駄だったってこと!?そんなの許されない!
と考えてしまいがちです。
変わりたいと言っている人の思考は、
●こっちが間違ってるんだったら、そっちに鞍替えしたらいいんじゃないの。
●こっちを選ぶんだったら、そっちは捨ててもいいよね。あっても邪魔だよね。
●こっちに変わるんだったら、そっちは忘れたらいいよね。未練なんて時間の無駄だよね。
と考えてしまいがちです。
このように0か100かではなく、こっちもOK、そっちもOKという中庸に考えることができると、許容範囲が広がります。許容範囲が広がれば、出来事に対しても、他者も自分も受け入れることができるようになり、生きやすくなるはずです。
出来事や他者や自分を受け入れることができないと感じることが多いことを、生きにくいというのではないでしょうか。
ここで大切なのは、「受け入れなきゃいけない!」と0か100かで頑なになるのではなく、「受け入れられないのは仕方ないよね〜」と0か100かで諦めるのではなく、どちらもOKの中庸を意識することです。
どちらにしても、今の自分を認めることが最初のスタップです。今、できていることを認めることです。
「今、OKを出してしまったらダメなんじゃないの」と考えるのではなく、どちらもOKの中庸を意識してることが”変わる”ことなのではないでしょうか。
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私のセミナーをご受講くださった方から、「三田村さんの自己開示はスゴイですね」と言っていただけることがあります。
セミナーの大半が私の実体験を交えてのレクチャーなので、そう言っていただけるのだと思いますが、「私は自己開示できないので羨ましいです。どうしたら、オープンに話せるようになれるんですか?」とご質問をいただきます。
“自己開示できる人“と”自己開示できない人“は、両者は正反対のようですが、実は根っこにある肯定的意図は同じなのです。
人のどんな行動の背景にも、深いところでは自分の中で満たされる何かを手に入れたいという肯定的な意図(目的)がある。一見するとネガティブなことでも、その結果や行動の背景には、その人さえ気づいていない意図(目的)があるという考え方です。
“自己開示できない人“は、わかりやすいですね。自分のことを話さないのは、こんなことを言って変に思われたらどうしよう、嫌われたらどうしよう、受け入れられなかったらどうしよう…という思いから、自分のことを話さない。こちらは、わかりやすいですし、「うんうん。わかる〜」と多少なりとも自分ごととして受け止めてくださる方が多いのかもしれません。
一方、“自己開示できる人“はどうなのかというと、私がセミナーで実体験を話すのは、ご受講されている方々によりご理解いただけるように、日常生活でセミナーの内容がお役にたてるようにという思いからです。つまり、わかってほしい、貢献したい、役に立ちたい…という思いからです。ということは、わかってほしいという願望があるということは、わかられていないという怖さがあるからです。当たり前ですが、願望は叶っていないから、願望なのです。
わかってほしい↔わかられていない
貢献したい↔貢献できていない
役立ちたい↔役立てていない
自分でも気づいていないところで、受け入れられていない怖さがあるから、受け入れられたい=自己開示と考えられます。
人から受け入れられていない怖さがあるからこそ、自己開示という行動をとるのです。
“自己開示しない人”と同じように、人から受け入れられない怖さがあるのです。
つまり、“人が怖い“という思いは同じということです。
人は自分ができていること、やれていることがあると、できていない人、やれていない人を批判したり、責めたり、否定してしまいがちですが、表現されているパーツだけで判断してしまうと、間違ってしまうのかもしれません。
「どうすればオープンに話せるのか?」のご質問にお答えするなら、自己開示しないことで守られているあなたの意図(目的)を理解できると、”自己開示したくない”という思いが緩むのではないでしょうか。
目の前のことを観ることも大切ですが、全体を捉えることでしか理解できないことがあるはずです。
一見すると、正反対にみえる両者でも、根っこにある思いは同じなんですね。
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