コーチングセッションでクライアントさんと話していると、
「上司のことが苦手で……」、「同僚の嫌味なところが嫌いで……」と苦手な人、
嫌いな人のことを課題として挙がられる方が多くいます。
社会人の悩みのトップが「人間関係」という現代社会では、
苦手な人がいない人(苦手な人がいないと思い込んでいる人)
の方が稀なのかも知れません。
利害関係のある上司に対して苦手意識がある場合、
弊害となることが多いと考えると、「どうにかしたい」と考えるのも当然ですね。
あなたは、人を嫌悪するという感情を抱いてしまったとき、
「人を嫌ってはいけない」と自分の感情を否定して、
実は、心が繊細で真面目な人ほど、
人を嫌いになってしまった自分のことを否定する傾向にあります。
そして、「本当は、この人はいい人なんだ!」、「嫌いになる自分が悪いんだ!」
と本来の自分の感情を抑圧して自分の感情に嘘をつきます。
確かに相手の良いところを見つけようとすることは素晴らしいことです。
私の研修でも相手の良い面を見るようにしましょうとお伝えします。
それは、人間には良い面も悪い面も存在するからです。
ですが、「嫌い」という感情を否定して
「無理やり好きになろう」というのとは話が違います。
本当の自分の感情に嘘をつき続けることは、
心に負担をかけることになります。
そして、自分の本音に嘘をつき続けると
次第に自分の本音がわからなくなってしまいます。
「嫌い」という、一見ネガティブな感情でも
「あるがまま」受け入れることをお薦めします。
「あっ!この人のこと嫌いだな」、「今、上司のこと苦手に感じているな」と
自分の内面でおこっている感情を受け入れるのです。
既にある感情ですから、ただ「今は、そうなんだな」と受け入れて認めるのです。
「人を嫌う」という感情を受け入れるには、勇気がいるかも知れません。
なかには、「人を嫌うのに勇気なんて必要なの?」と思う人もいるかもしれませんが、
「人を嫌ってはいけない」という思い込みがある人にとっては、
誰かを嫌うことは勇気が必要なのです。
何故なら、自分自身が人から嫌われることを全否定しているからです。
大げさな表現かも知れませんが、100人いたら100人に好かれないと
ダメだと思い込んでいる人も多いはずです。
「人から嫌われてはダメだ」、「人を嫌いになってはいけない」
という思い込みを手放してみてください。
人の良い面を発見しようとすることは素晴らしいことです。
ただ自分の「人を嫌う感情」まで嘘をつくことはありません。
「人を嫌う感情」を大事にするのは自分のためでもあり、
良い人間関係を築いていくために必要なことなのではないでしょうか。
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